観終わったあと、誰かに話したくなる映画を紹介しています。
そんなわけで、今回はカーアクション・クライム・ラブロマンス映画「 ドライヴ 」です。まだ観ていない方に向けて、ネタバレ無しで書いていきます。
基本情報
出演作のほとんどが観る価値ありな男、ライアン・ゴズリング。そのキャリアの中でも、もっとも格好いい彼を堪能できる作品だと思う。どの作品でも存在感あるんだけど、彼のもつ雰囲気と本作の噛み合いかたがエゲツない。彼以外が演じていたら、まったく異質なキャラになったろう。
監督のニコラス・ウィンディング・レフンとしては、ハリウッドでの初監督映画であり、本作は 2011 年のカンヌ国際映画祭のコンペティション部門で上映され、監督賞を受賞しています。
疾走する純愛 ──
──日本版キャッチコピー
あらすじ
主人公の名は明かされず、その役どころから「ドライバー」となっています。
昼間は自動車整備工や映画のカースタントマン、夜は強盗の逃がし屋としてドライバーをしています。冒頭から卓越したドライブテクニックで強盗を逃がし、その腕前が確かなものであることを観ている私達に理解させます。同時に、悪い世界にも足を突っ込んでいることもわかります。
ドライバーは基本的にすごく寡黙。無駄口叩かないところが男前に感じます。物静かで、そこまで表情の変化もないんだけど、優しい笑顔なんかに女子はキュンとなるんじゃないかな。
ひょんな事から、同じアパートに住む子持ち人妻「アイリーン」と知り合うドライバー。
初っ端から二人のあいだには、何か感じるものがあったみたい。「何の仕事を?」と聞くアイリーンに、「映画で運転手をしている」と答えるドライバー。そして「危険じゃないの?」と聞いてから、出会って間もない二人とは思えないような見つめ合いを見せてくれます。
急速に距離が詰まっていく。彼らはまるで本当の家族のような時間を過ごします。彼女に服役中の夫がいる事を知りながらも、互いに惹かれていく気持ちは止められない。でも、二人とも踏み込んだことはしない。彼女の夫の出所が間近なのであった。それをわかっているから、男女としての一線を越えるような真似はしないのだ。
※ちなみに 3 人が川辺で過ごす映像が本当に美し過ぎます。
出所してきたアイリーンの夫は、更生を誓うも、服役中にこしらえた借金返済のために再び犯罪を計画する。どうしようもない夫だが、そんな夫が再び捕まってしまうことや、場合によっては射殺されるなど、アイリーンとその息子が悲しむ事態にしたくないドライバーは、その強盗計画に逃がし屋として加わることとなる。果たして強盗は成功するのか、そしてドライバーとアイリーンの関係はどうなってしまうのか?
ザ・ドライバー(1978)との近似性について
主人公が同じ「逃がし屋」であり、寡黙で冷静なキャラクターといった点が非常に似ています。物語のスジ自体は全く異なっており、ザ・ドライバーのほうは、常に警察に付け回されています。少し古い作品ですが、クールな男を見たいならオススメです。
まとめ
男ならこうありたい、そう思ってしまうカッコよさ。アクション映画であり、かなりのバイオレンスもあります。そういった激しい面がありながら、彼らの表情だけでしっかり語らせるシーンも多いです。静と動が明確にコントラストされていて、シンプルなラブストーリーなのに重厚な作品に感じます。上質な映像とそれを盛り上げる Electric Youth の「 A Real Hero 」が堪らなく良いですね。