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【前編】10年振りにiPhoneからAndroidに出戻った話

皆さんがお使いのスマートフォンは「iPhone」でしょうか?「iPhone」でしょう?「iPhone」に違いない。そんな決めつけが通ってしまうくらい、周りを見渡しても「iPhone」ユーザーばかり。つい数ヶ月前まで私もそうでした。タイトル通り、この度「Android」へと鞍替えしましたので、その経緯について長々と書きたいと思います。ほぼほぼ単なる自分語りなので、暇で仕方ない方だけ読んでいただければ…。

スマホデビューはAndroidでした。

振り返れば2011年。前年登場した「iPhone 4」により周りの人達が少しづつガラケーからスマホへ移行し始めている頃でした。私といえば、その頃使用していたガラケー、デザインケータイ「MEDIA SKIN(メディアスキン)」をとても気に入って使用していたので、特段スマートフォンに変えようとは思っていませんでした。しかし、デザインケータイの代名詞とも言える「INFOBAR」のスマホ版が登場するという情報をキャッチしてしまい、一気に切り替えに心が傾き実際に移行してしまったのでした。そんわけで、私のスマホデビュー機種は「iida INFOBAR A01」となりました。

出典:KDDI

iida INFOBAR A01」が登場したのはAndroidのバージョン2.3(Gingerbread)という、OS的にはまだまだ黎明期といえる頃。ちなみに、本記事執筆している2024年にはAndroid 15がリリースされる見込みです(順当に1年1回、計13回もメジャーアップデートが行われ続けてきたわけですねー)。さて、この「iida INFOBAR A01」ですが、初期のAndroid端末にしては、今でも通じそうな独自のタイル型ホームを搭載し、当然ながら「iPhone」では出来ない細かなカスタマイズも可能という意欲的な端末でした。

その頃の「iPhone 4」(画像右)と言えば、根本的には今とほとんど変わらないようなホーム画面でした。当時はスマートフォンの先駆者であるiPhoneがとにかくメジャーであり、「後発であるAndroid端末とは如何なるものか?」という懐疑的な感覚もあったと思うけど、こうして改めて並べてみると、この2者であれば今でも「iida INFOBAR A01」を選ぶと思ます。ただし、当時それが失敗だったんだと思います。私の選択も失敗したし、この「iida INFOBAR A01」を制作したメーカーとしても、結果的に失敗だったような気がしています。

着信やメールの受信件数を数字で示し、ひと目でわかる月カレンダー、天気、ワールドクロック、ミュージックコントロール、好みのフォトフレーム、こうした今でも使用する数々のウィジェットが初期Androidから使用可能であった。勿論、このタイルの組み替えは自由なのだ。凄い。ちなみに、自動化アプリってのもストアには転がっていて、家を出たらWi-Fiオフ、職場に着いたらマナーモードに切り替え、なんて動作を自動的に(root取らずに)行ったり出来ていました。

なぜ失敗だったと思うのか。

当時のSOC性能やメモリ量は、こういった自由度の高い仕様を支えられるほど満たされたものではなかったのです。しかし当時としては、搭載SOCであるSnapdragon S2(プロセスルール45nm)の動作クロックやRAM容量512MBといったスペックは決して低いものではありませんでした。むしろ問題は、Androidの許容する自由度が高すぎるゆえ、端末メーカーが動作安定性を意識しカスタム性に制限を掛ける必要があった、そのハードルを飛び越えた独自ホームの仕様にこそ問題があったと思うのです。このタイル型ホームを形成するだけでも相当のメモリを使用しているわけで、ここにユーザーがウィジェットを置きすぎると動作がすぐに重くなり、メモリ解放アプリが必須な状況でした。そうなるとメールするだけでもガラケーより素早く返信出来ず、使っていて息苦しい感覚を覚えたものです。また、当時はAndroidもアプリも成熟しておらず、下手なバッテリー管理アプリをインストールしようものなら、1時間放置しただけで70%もバッテリーが消費していたり、とにかく安定性に欠けていました。(まぁ、何もインストールせず、吊るしのまま使えばこのような異常な事象は発生しなかったでしょうけど)

そこで次に購入したスマホは

「iida INFOBAR A01」の動作の重ったるさに我慢出来なくなり、台湾「HTC」から2013年にリリースされた「HTC J One」へ機種変更をしました。発売後すぐに変更した記憶があります。この機種は当時のAndroidのフラッグシップ機種でした。当時、Googleが1年を通してリリースされたAndroid端末の中からNo.1の機種を決めていたなかで、この年は本機種のグローバル版である「HTC One」が選ばれていました。フルアルミユニボディで金属感を堪能出来る筐体だったのですが、日本版である「HTC J One」は背面を別パーツとして取り外せるようパネルパーツにしてありました。なぜわざわざ日本版をそのような仕様に改変していたかといえば、microSDカードスロットを設けるためでした。

リリース年端末名RAM容量ストレージ容量SDカード
2010年Nexus One512MB512MB最大32GBまで
2010年iPhone 4512MB8GB/16GB/32GB使用不可
2011年iida INFOBAR A01512MB2GB最大32GBまで
2013年HTC J One HTL222GB32GB最大64GBまで
2013年iPhone 51GB16GB/32GB/64GB使用不可

日本ではガラケー時代からの根強い外部メディア信仰が続いており、SDカードが使えるか否かは売上を大きく左右していたのでした。こうして表にまとめてみると、確かに初期Androidのようなストレージ容量が1GBにも満たないモデルではSDカードが必須であったといえるでしょう。しかしiPhoneと同等のストレージ容量まで拡張された「HTC J One」であれば、グローバル版から改変してまでSDカードスロットを設ける必要があったか疑問です。さらに言えば、使っていたからこそ文句として言いたいのが、この裏蓋の造りがチープであり、筐体側とのチリの合いも微妙なシロモノでした。しかしながら、当時のフラッグシップ機種の名を戴冠していただけあり、動作はとんでもなくスムースで快適、ディスプレイも大きく解像度も高く、内蔵スピーカーも大音量でも破綻しない音質といった具合で、ハードウェアとしてのスペックは先進的なものでした。RAM容量も「iida INFOBAR A01」の4倍となり、ウィジェットも置き放題でアプリの起動も速い。使い始めて気になったネガな点と言えば、端末がズッシリと重いといったくらいで、この時点ではまだ、iPhoneに移行するとはまったく考えてもいませんでしたね。

iPhoneへの移行を決定付けた理由とは

そんなまずまず気に入っていた「HTC J One」から、遂にiPhoneへと移行する時が来ます。なぜ気に入っていたAndroid端末から、競合のスマートフォンへと変更する気になったかと言えば、本当に些細なことからなのです。些細と言いつつも、実用といった点では容認出来ないことでした。

とある日「HTC J One」を使っていると電話着信があり、応答ボタンを押し耳にあてがいました。

画面が消灯されませんでした。

会話中ずっと画面が表示されたままとなり、煩わしさを感じながら会話していたのが今でも記憶に鮮明にあります。近接センサーがイケていなかった可能性はありますが、体感的にはAndroidの制御が上手く働いていない感覚がありました。また、別のある時には、電話で会話後に通話終了ボタンを押しても反応せず、電話が切れませんでした。また、マナーモードにしていても気付けば音が鳴る状態に戻っていたり、設定した時間にアラームが鳴らなかったりといった不具合がどんどん出てきました。基本的なハードウェアスペックは進化しているのに、AndroidというOSの動作が不安定で、使用開始から半年もする頃には、使っているのが嫌で仕方ない状況に陥っていました。そんなこんなで「HTC J One」を使い始めて1年が経過した頃、次期iPhoneが発売される時期となり、ウェブメディアなどでリークされているのを見る内に、「Androidを2台使ったけどイマイチだし、次はiPhoneに替えるか」といった自然なマインドで「iPhone 6」を予約したのでした。

リリース年端末名RAM容量ストレージ容量SDカード
2013年HTC J One HTL222GB32GB最大64GBまで
2013年iPhone 51GB16GB/32GB/64GB使用不可
2014年iPhone 61GB16GB/64GB/128GB使用不可

店頭で初めて「iPhone 6」を手にした時の衝撃は今でも忘れられません。

「軽っるぅ!?」

「薄っすぅ!!」

女性店員「薄いですよねー♪」

これまで使っていたのが、重たくて厚みも薄くない端末だった「HTC J One」からの変更だったから尚更、衝撃的なまでの「軽さ」と「薄さ」でした。ちょっと脳がバグるような軽さに驚愕でしたね。そして家に帰って弄りまくっても、動作は超スムースで、タッチパネルの追従性の高さ、動作の安定性、文句を付ける部分がありませんでした。

「これがiPhoneか。。」

今まで特別な意味なく「iPhone」を避けて「Android」端末を選んでいた自分が情けなくなっちゃいました。しかし、そんな事よりこれからの相棒であるスマートフォンが「iPhone」である事が嬉しい気持ちのほうが強かったですね。あくまで私の肌感覚的なものですが、私同様に「iPhone 6」から初めてiPhoneユーザーになった人の数が爆増した気がします。「iPhone 5s」までは、そこまででiPhone人口は高くなかった(そもそもスマホユーザー自体がそこまで多くなかった)覚えがあります。一般メディアでの露出にも拍車が掛かっていたような記憶があります。

リリース年端末名RAM容量ストレージ容量SDカード
2013年HTC J One HTL222GB32GB最大64GBまで
2014年iPhone 61GB16GB/64GB/128GB使用不可

ハードウェア的に見れば、RAM容量は「HTC J One」の半分しかない「iPhone 6」ですが、よく語られている通り、ソフト(OS)とハード(SOC)の両面を自社設計しており整合性の高いシステム構築が成されているAppleは流石!としか言いようのない安定性。そして今のスマートフォン市場を見ても、SDカードスロット搭載機の少なさ。ストレージ容量が潤沢になってきた昨今と、スマートフォンで消費するデータ容量規模から言っても、外部メディア不要といえる状況なのです。Appleにはこういった状況になる未来が予見出来ていたのか、Androidが寄せていっただけなのか。私には後者に見えています。Androidで経験したマナーモードが勝手に解除される問題も、「iPhone 6」であれば物理スイッチでの切り替えといった確実感が堪らなく好みでした(実際はAndroidと同じくOS上での切り替えには違いないのですが、勝手にマナーモードが解除されるような事は皆無でした)。

長くなりすぎたので続きは【中編】に分割します。

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