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映画「 Zodiac/ゾディアック(2007)」の面白さをネタバレ無しで語る

観終わったあと、誰かに話したくなる映画を紹介しています。
そんなわけで、今回はアメリカ映画「 Zodiac/ゾディアック (2007)」です。まだ観ていない方に向けて、ネタバレ無しで書いていきます。

ネタバレなしですが、設定説明のため序盤の展開は明かします。

基本情報

2007年製作/157分/アメリカ
配給:ワーナー・ブラザース
劇場公開日:2007年6月16日
監督:David Fincher
脚本:James Vanderbilt
出演:Jake Gyllenhaal、Robert Downey Jr.、Mark Ruffalo、他

デヴィッド・フィンチャー監督作のなかでは、世間の評価が低めな印象です。そりゃ「セブン」や「ファイト・クラブ」が別格なのはわかりますけど。個人的には、「ゲーム」「ベンジャミン・バトン 数奇な人生」「ソーシャル・ネットワーク」「ゴーン・ガール」よりは、好きな作品なんですけどね。なにか世間一般の評価の低さが納得出来なかったりします。

あらすじ

実際にあった連続殺人事件をベースにした作品です。
独立記念日を祝う1969年のアメリカで、とあるカップルが銃撃されるところから物語は始まります。無慈悲に何発もの銃弾を打ち込まれ、女性は息絶えますが、男性はかろうじて一命を取り留めます。

事件からしばらく経ってから複数の新聞社に「暗号文」付きの殺人予告が届きます。「暗号文を新聞紙面に掲載しなければ、さらに多数の人を殺す」と脅迫してきたのです。新聞社を利用し警察を煽り、社会を不安に落とし入れる凶悪犯の登場です。

大手新聞社の一つサンフランシスコ・クロニクルに勤めるグレイスミスは、暗号解読を試みる。同僚であるエイヴリーと共に、独自に犯人像を探っていく。警察をすっぱ抜いて特ダネを一発当てたいエイヴリーと、暗号文を送りつけ殺人を起こす犯人に純粋な興味をもつグレイスミス、この 2 名と、警察の捜査に焦点を当てて物語は進んでいくこととなる。ちなみに、この最初の暗号を解読したのは一般市民の夫婦であった。続いて届いた手紙で、犯人は自らを「ゾディアック」と名乗りました。

そうこうしている内に、2 件目の事件が発生する。そして続けて第 3 の事件も起こる。
2 件目のカップルでも男性が生き残った。その事件を警察に通報してきた人物が、自らをゾディアックと名乗る。3 件目のタクシー運転手は車内で殺害され、その遺品として血液付きのシャツの切れ端が新聞社に送りつけられる。

担当刑事であるトースキーは参っていた。様々な目撃・物的証拠はあるが、犯人まで迫れない。それに事件はゾディアックだけじゃなく、他にも沢山起こっているのだ。ただし、新聞社を巻き込んだゆえに話題性の高いゾディアック事件は何としても解決せねばならない。そんな中、容疑者と思わしき人物に関しての確度の高いタレ込みが入る。

この容疑者の態度が実に怪しいのだ。スラスラとアリバイを話すものの、警察の知らない自身に不利な情報もペラペラ話す。さらに、着けていた腕時計が「ゾディアック(実在メーカー)」なのであった。警察はこの容疑者を怪しみ、筆跡鑑定や家宅捜索を行おうと重点的に捜査を進めていく。しかしながら、それらの結果は全てシロとなってしまう。

そのうちエイブリーは酒に溺れ脱落し、ゾディアックからの脅迫状も届かなくなり、警察も熱心に捜査しなくなっていく。それでもグレイスミスだけは取り憑かれたように、家庭も顧みずにゾディアック事件を調べ続ける。完全にライフワークとなっているのだ。そして、トースキー刑事に助言を仰ぎながら調査を続け、警察のこれまでの捜査以上にゾディアックに迫っていくのだった。

まとめ

本作は、ほとんど会話だけで構成されています。アクション的なシーンもほぼなく、観た多くの人にとって退屈さを感じさせてしまったのが、評価を低くしたのだと思われます。157 分と長尺でありながら、その大部分が犯人と直接対峙するわけでもない、捜査シーンのため、起伏に乏しく退屈だと感じる気持ちも理解できます。要するに地味なんだと思います。
私は本作が事実に基づいた実話ベースであろうが、仮にフィクションであろうが好みだったと思います。それくらい、ひたすら調査や捜査の繰り返しのこの映画が好きです。得たいの知れない相手に迫っていく過程が、堪らなくゾクゾクするのです。

実際に起きた事件なので、結末は公然と明かされているわけですが、映画としてどのようにまとめ上げたのか?特に結末をどうするのか?私的には素晴らしい閉じ方だったと思います。

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