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AKG Q701を鳴らすヘッドホンアンプを「FiiO K3」に変更してみた

大きな不満はなかったけど、なんとなく「ヘッドホンアンプ」を変更してみたよ。

Ortofon Hd-Q7
Ortofon Hd-Q7

これまで「Ortofon(オルトフォン)」の「Hd-Q7」という画像のヘッドホンアンプで「AKG Q701」を鳴らしてきました。と言っても延べ時間で言えば 20 時間あるかどうかなのですが。しかも購入したのは 9 年前という事実!とんでもなく使ってないですよね。というのも、元々ヘッドホンで音楽を聴くよりスピーカーで空間自体が鳴ってる感じが好きだったから。だったら買うなって感じですけどね。そもそもこの Hd-Q7 をチョイスした理由も、Q701 を鳴らす環境が無かったから予算範囲内で見ためが好みだったというだけで拘って選んだわけじゃないんだよね。しかしながら Hd-Q7 で Q701 を鳴らしていて常々感じていたのは、なにか“音が薄い”ということ。聴いていてこれといった感情が湧かない無味無臭な「音」。Q701 が比較的フラット(音域特性が平坦ということ)だからという理由じゃない気はしていた。悪い音じゃないのになにか物足りない。それにボリュームノブをかなり回さないと音量が稼げない。正直「最大まで上げても爆音にはならない」のだ。爆音で聴くつもりはないが、僕は「音楽はそれなりの音量で聴くべきだ」と思っている。Hd-Q7 はやっとこさ Q701 を鳴らしている感じがして不満だったのだ。

中古で「FiiO K3」を買ってみた

FiiO K3 パッケージ

そんなわけで PC で再生するヘッドホンの音を変えてみたいと思って探してみた。
今回は極力予算を掛けずに、かといって Amazon でやたら種類が売られている故障報告の多い中華メーカーは避けるカタチで調べていった。

  • ハイインピーダンス気味な Q701 をドライブ出来る性能はマストだ。
  • PC での再生だから USB 接続可能なヤツじゃないとだめ。
  • 出来れば聞いた事のある名前のメーカーにしたい。

なんて感じで選んでいくと、良さげに思う製品は 3 諭吉超えばかりだった。おそらくその辺りがまともな音を出すラインっぽかった。ん~…でもそこまで出す気は毛頭ない。
しかし替えたい。中古を含め探すとポタアンでやたら目にしたことのある「FiiO(フィーオ)」というメーカーが目に止まる。そんななか「あ、なんかコレ良さげ。見ためもカッコいいし」という事で漠然と選んだのが「 K3 」だった。販売終了品なので中古しか選択肢は無かった。

スペックと内容物

FiiO K3 前面パネル
モデル名K3
USBType-C
USB Audio ClassUAC1.0 /UAC2.0
音量調節AD変換
ゲイン切換L/H
バスブースト0/+6dB
ライン出力3.5mm
ヘッドホン出力13.5mm シングルエンド
ヘッドホン出力 22.5mm 4極バランス
同軸デジタルオーディオ出力RCA 端子 PCM 192kHz, DSD64 (DOP出力)対応
光デジタルオーディオ出力最高 96kHz
USB チップXMOS XUF208
USB ドライバーASIO/KS/DS/WASAPI/DSD DOP(ネイティブ)
DACAKM AK4452
ローパスフィルターオペアンプTI OPA1612
駆動オペアンプOPA926 x2
出力 1
(3.5mm シングルエンド)
220mW (16Ω負荷時)
120mW (32Ω負荷時)
出力 2
(2.5mm 4極バランス)
320mW (16Ω負荷時)
200mW (32Ω負荷時)
ライン出力レベル1.9Vrms
DAC384kHz/32bit
DSD対応DSD256
SN比113dB以上
THD+N0.004%以下
周波数特性20Hz-80kHz
RGB インジケーターサンプリング周波48kHz以下のPCM  – 青
サンプリング周波48kHz以上のPCM  – 黄
DSDフォーマット – 緑
外形寸法70×58×22mm
重量82g

【主な特長】:

  • 最大384kHz/32bitのPCMデータおよび11.2MHzのDSDデータの再生に対応するUSB DAC内蔵デスクトップ用ヘッドホンアンプ
  • AKM(旭化成マイクロデバイセス)製高性能DACチップ「AK4452」を搭載
  • 3.5mmシングルエンド出力端子とフルバランス構成のヘッドホンアンプ部による2.5mmバランス出力端子を搭載
  • 特注仕様のヘッドホン駆動専用オペアンプ「OPA926」を採用し、320mW(16Ω時)の大出力を実現
  • 独立構成のLPF/ボリューム/バッファ段による高性能オーディオ回路部を採用
  • 電源フィルターおよび過電圧防止機能付きのUSB TYPE C端子を搭載
  • 革新的な電子ボリューム方式による音量調整機構を採用し、ギャング・エラーを一掃
  • Bass Boost機能およびゲイン設定機能を搭載
  • USB Audio Class切り替え機能を搭載
  • 光デジタル出力および同軸デジタル出力を搭載し、DDCとしても利用可能

ー引用元:FiiO K3商品ページー

思ってたより小さい。これってポタアンじゃないよね?

FiiO K3 本体

ちょっと高くなったけど美品の中古を選んだので傷一つ無かった。
そして事前に寸法とかよく見ずに買ってしまうのはいつものこと。なので最初に実物見た時はあまりの小ささに驚いたさ。

これってポタアン?

思わずそう呟いたのも仕方ないってものだろう。これまで使ってきたヘッドホンアンプ Hd-Q7 がそこそこのサイズだったから、それと比べて随分小ぢんまりしてしまったものだ。いくらポータブルで有名なメーカーとはいえ卓上までこんなサイズにしなくていいのに…。しかしポジティブに捉えれば「狭いデスク上を専有しない」から好都合ってもんだ。しかしこの 82gっていう軽さはいかがなものだろう。「アンプは重いほうが良い音」世代としては隔世の感だわさ。ケーブル引っ張ったら余裕で吹っ飛ぶ軽さなので、何かしらで固定しないとね。

FiiO K3 ボリュームノブ

前面パネルは筐体サイズにしては大きな「ボリュームノブ」があり、「BASS」と「GAIN」のスイッチが並ぶ。そして3.5mmのヘッドホン端子と2.5mmバランス接続端子まで備わっている。

FiiO K3 背面

背面の入力は「 USB Typc-C 」となっている。出力は前面のヘッドホン端子以外にも背面に 3.5mm や同軸、光まであるんだけど現状使う予定はない。
先程から「隔世の感」を感じてるくらいなのでこの背面にある「USB AUDIO」ってスイッチが何なのかわからなかったのでググってみた。

「USB Audio Class」とは

1.0と2.0は何が違うか。ご存じ普通のUSB 1.1とUSB 2.0と同様に、ひとまず最大転送速度が違う。USB Audio Class 1.0は、USB Full Speedモードと同じ最大12Mbps(=USB 1.1)で、1フレームあたりの理論値最大データ量は1023バイトとなる。(中略)USB Audio Class 1.0で対応可能とするサンプリングレートは、一般的に96kHz/24ビット(同576バイト)あたりが上限とされている。  
ー引用元:ITmedia
FiiO K3 背面端子

要するに「1.0」「2.0」では扱えるビットレートが異なるらしく、ハイレゾ音源を再生したければ 2.0 にしなければならないようだ。私はハイレゾ音源をもっていないし、さほど興味もないのだが、とりあえず 2.0 にしておいた。大は小を兼ねるの理論だ。

PCとの接続はUSBケーブル1本のみ

FiiO K3 接続はUSBケーブル1本

USBケーブル 1 本で通信と給電出来るのが便利だ。今まで使っていた Hd-Q7 は USB-DAC を噛ましてラインインしていたし、電源もゴツめのアダプター付きケーブルだった。
この辺は K3 購入前に特に考えてもいなかったんだけど、接続ケーブルが減るのは助かる。

Q701がエネルギーに満ち溢れる生きた「音」を出すように!

Q701とK3

とりま「BASS」は+6dB に「GAIN」 は H にして聴いてみた。

まず「Steely Dan」の『Aja(1977)』を再生。

!!

のっけから「ビックリしたなぁもう!音楽が生きてる!」活き活きとして、エナジー漲(みなぎ)る音の張り感、それでいて細かな音まで「マジで!こんな音鳴ってたのか!?」と驚くくらい綺羅びやかに解像してる。各パートの定位感は勿論のこと、Donald Fagen(ドナルド・フェイゲン)のボーカルとバックコーラスやホーンの違和感の全くない調和から何からしてとんでもなく完璧。こんなに細かい残響音があったんだっていう驚き…。今まで聴こえてなかったぞ。

Q701 の特性として良い音質で仕上がってる曲はありのまま出してくれてる感じ。しかしトラッキングという概念の無い時代の音源、或いはあえてシングル録音している音源は聴いててキツイかもしれない。
例えばブルースギタリスト Buddy Guy(バディ・ガイ)の名盤『I Was Walkin’ Through The Woods(1964)』あたりはスピーカーで聴くほうが圧倒的に良いのがわかった。Albert Collins(アルバート・コリンズ)もしかり。とにかくギターが耳に刺さりまくるんだ。そりゃギターが主役みたいな音楽だから、めっちゃギター傍にマイク置いて録音してたろうし。

FiiO K3 で Q701 を鳴らす場合、BASS+6dB はオンしたほうが好みでした。低域上げないと愛想もない感じを受けました。低域を持ち上げても不自然にボワついたりは皆無です。実にキレのよい締まった低音で心地よい。

まとめ:コスパに優れたヘッドホンアンプ

FiiO K3

Q701 よりハイインピーダンスなヘッドホン( 300Ωとか )だと鳴らしきれないだろうな、と思います。そこは価格なりかと言えますが、並のヘッドホンになら充分過ぎる性能じゃないでしょうか。
音が心地よくて、ついつい聴き続けてやめ時を見失ってしまいました。中古とはいえこのような価格で良い音を得られて大満足です。

これまで鳴らしきれてなくてごめんなQ701。

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