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【中編】10年振りにiPhoneからAndroidに出戻った話

前編】では、私がガラケーからスマートフォンへ移行した流れ、そして初めてのスマートフォンに「Android」を選び、そこから「iPhone」へと移行するお話を書きました。ハードウェアがハイスペックであっても、制御するソフトウェア(OS)が未成熟だと、その機能性を制御しきれないんだということを体感したのでした。そして、いくら自分好みにホーム画面を彩っても、携帯電話としての基本的な動作、通話などが安定していないのは使いつづけていくのが困難です。「iPhone」を使い始めてからは、「Apple」がいかにそういった基本を損なわないようスマートフォンを構築したのか理解できました。一日の長を感じたものです。この【中編】では、そんな安定性が満たされた「iPhone」から、なぜ一度見切りをつけた「Android」に戻っていくのかを書いていきます。

iPhone 6からiPhone Xへの変更

2014年に「iPhone 6」を使い始め、ホームの柔軟なカスタマイズが可能だった「Android」を懐かしみつつも、圧倒的に日常使用の安定性の高いiOSに満足していました。今思うと不思議と「Android」時代のほうが色々と記憶に残っていて、「あんなアプリを入れていたなぁ」とか「あんな不具合があって最悪だったよ」など、思い出すことがあります。なぜか「iPhone 6」に関しては「パズドラやってたなぁ」とか、「LINEが登場して皆んな使い始めてたなぁ」くらいの薄い記憶しかありません。2024年現在、スマホでゲームは一切していません。というか5年くらいはやっていませんね。「iPhone 6」の頃は、やたらとゲームをしていたのでバッテリーの劣化が進んでいました。

「iPhone 6」を使っていた3年のあいだに、OSは「iOS 8」から「iOS 10」へとバージョンアップしていきました。バージョンアップの中身は多岐に渡るが、これといって目立つトピックは無かったように思う。とはいえ「iPhone 6」自体に不満なく使用していたわけで、「iPhone 7」にしようとか、当然ながら「Android」に戻ろうなんてことはなく、そのまま故障するまで使い続けるつもりでいたのです。しかし、ここに来て新しい「iPhone」の情報をキャッチしてしまいました。「iPhone X」の登場です。「iPhone 6s」「iPhone SE」「iPhone 7」は華麗にスルーしていましたが、「Face ID」を搭載したとなると、俄然注目することとなります。ちなみに「Android」は2011年の「Android 4.0 Ice Cream Sandwich」で顔認証に対応しています。

リリース年端末名RAM容量ストレージ容量特徴
2014年iPhone 61GB16GB/64GB/128GB
2017年iPhone X3GB64GB/256GBFace ID初搭載
OLED初搭載

というわけで「iPhone X」に機種変更しました。なんとRAM容量は「iPhone 6」から3倍にもなりました。もともとユーザーに対してカスタマイズの幅を与えず、メモリ管理も優秀だから「iOS」は「Android」と比べても小RAM容量でもよいのが定説でしたが、ここに来て、3年で3倍と盛ってきました。2023年発売の「iPhone 15 Pro」に至っては8GBにまで増加しています。「Android」の上位機種では「12GB」モデルが多いので、まだ差はありますけどね。どの陣営にしろAIの活用が活発化していくので、今後も増加傾向なのは変わらないでしょう。

※「iOS 18」移行に搭載予定の「Apple Intelligence」は、8GB搭載モデルが使用可能な最低ライン。

さて、店頭で「iPhone X」を手に取ったとき、「iPhone 6」の時のは違ってネガティブな感情がもちあがりました。

「おっも。。」

最新の「iPhone」を手にした喜びはそこにはありませんでした。ただただ重たいという印象。新しくOLEDディスプレイになっても、そんなに違いがわかるほどのものではありません。それまで指紋認証だったのが「Face ID」になり、多少のハイテク感は味わえましたが、寝る前の暗い部屋では認証出来ず、寝起きの顔でも認証出来ず。マスクしてても認証出来ず。実質不便になっただけなのでは?以降のモデルでどのように進化したか知りませんが、「iPhone X」に搭載されている「Face ID」は不便が目立ちました。少なくとも指紋認証も搭載しておくべきだったと思います。「iPhone X」で私がもっとも気に入ったのは「ワイヤレス充電」機能でした。時点で、ホームボタンを廃したことによる「ジェスチャー操作」です。

進化の遅いiOS

さて、「iPhone X」に初期搭載されていたOSは「iOS 11.1」でした。そこから3年後の2020年リリースの「iOS 14」にて、ホーム画面へのウィジェット機能が搭載されました。ようやくです。しかしながら「Android」のウィジェットと比べて自由度は低めで、そもそもアイコン配置に自由度が無いので、ユーザーが理想のレイアウトを実現するのは難しいものがありました。この状況は2024年リリースの「iOS 18」でようやく解消される見込みです。遅すぎますね。こういった目に見える部分、ユーザーから望まれる部分の進化の遅さが「iPhone」にはあります。一言で言えば、『堅実だけど刺激が無い。』これが「iPhone」です。

リリース年iOSトピック
2017年11Siriの改善
カメラの機能強化
2018年12Siriショートカット
スクリーンタイム追加
CarPlayのサードパーティサポート
2019年13アプリのプロパティ強化
ダークモード搭載
2020年14ウィジェット機能追加
2021年15集中モード追加
2022年16ロック画面のカスタマイズ機能
ロックダウンモード追加
2023年17オフラインマップ追加

メジャーアップデートの内容はそれぞれ多岐に渡るが、あくまで既存機能の改善が大半である。ユーザーが直接的にワクワクを享受するような内容は限られていた。「ダークモード」や「ウィジェット」など便利になったものもあるが、どれだけの人が活用しているのか微妙な「集中モード」など、使い方も煩雑な機能が増え、そういったアップデートに伴い、当初は快適な動作だった「iPhone X」も、多少のモタツキを感じるようになっていった。それでも新しいモデルを知らなければ不満を覚えるほどではないくらい。

ハードとしての造りはいいが

出典:Apple

延べ6年半も「iPhone X」を使用しました。

「iPhone 6」を使っていた時とは異なり、「iPhone X」以降に登場する新しい「iPhone」に対しては、常に更新していきたい気持ちがありました。実際には指を咥えながらも「まだ使えるし」と自分に言い聞かせ、気付けば「iPhone 15 Pro」の登場となりました。「iPhone X」が「iOS」サポートから外れていた事もあり、今年こそは機種変更と思ってはいましたが、私が欲しいと思うモデルは「iPhone X」と比べても価格が1.5倍と高額になり、さすがに躊躇してしまいました。

入手当初はイマイチな印象が強かった「iPhone X」ですが、流石に6年半も使用出来ていただけあり、携帯端末として不満はなく、2年以上は裸運用でしたがキズも見当たりません。さらに言えば、設定内でバッテリーの劣化度を見れるようになっていますが、6年半も使用したのに93%を維持していました。これはゲームをまったくしなかったのが良かったのでしょう。(まぁ、体感的には当初よりもたなくなっているのがわかりましたが。)私の使い方では故障や破損も一切なく、ハードウェアとしての完成度は非常に高いスマートフォンであると今でも思います。

ですが、OSサポート切れと、仮に新しい「iPhone」になったところで、代わり映えしない使用感への「飽き」、「iPhone 15 Pro」を購入したかったやりどころのない物欲は、いつしか「Android」に向けられることとなります。

長くなりすぎたので続きは【後編】に分割します。

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