自宅を「スマートホーム化」して生活の質を上げよう。
スマートフォンの登場により「IoT(※)」が急速に身近になりました。それまで独立したそれぞれの家電を、手元から操作したり動作をスケジューリングしたりといったスマートホーム化により、これまでの生活で生じていた「ちょっとした手間」が省けて快適になります。
まず、自宅をスマート化しようと思い立った際には、「何ができるか」「どんなメーカーがあるのか」について調べますよね。スマートホーム製品をリリースしているメーカーは何社もありますが、実は得意なジャンルや力を入れているジャンルが異なっていたりします。
今回はスマートホーム化の基礎と、代表的メーカーの製品紹介、実際に使用して体験した問題点などを簡潔に説明します。
※IoT(Internet of Things:モノのインターネット)とは家電などがネット通信することです
そもそもスマートホーム化とは
スマートホーム化とは、簡単に言えば「ネットワーク接続により家電などを操作する」ことです。
「スマート家電を直接スマートフォンのアプリで操作する場合」と、「ハブなどのスマートデバイスを中継し、通常の家電を操作する場合」(上図)があります。勿論、家に居るのであれば標準のリモコンを使えばよいって話しなので、屋外から家電を操作出来ることが利点です。例えば帰宅中に屋外からエアコンを操作すれば、家に到着する頃には「部屋を暖かく/涼しくする」といった事が可能になります。また、電源のオン/オフを細かくスケジューリングしておくことも可能です。防犯のために部屋のライトを時間指定で自動点灯させるなど、これまで自宅に居なければ難しかったことが手軽に外出先からでも行えます。
代表的なスマートホームメーカー
スマートホーム化を進めるならば、以下メーカーの製品から選ぶこととなるでしょう。他にもスマートホーム製品を出しているメーカーは何社もありますが、日本での入手性や利用者の数、アフターサービスを考えると、この 3 メーカーから選ぶのが無難だと思います。私もこの3メーカーの製品を使っています。
- SwitchBot
- Nature
- TP-Link
それでは、各メーカーの製品と特色を紹介をしていきます。意外と製品展開に違いがあったりします。
まずは、スマートホームメーカーの代表格である SwitchBot から紹介。製品展開は以下のように多岐に渡ります。
- ハブ:赤外線送信により家電を操作
- ボット:指ロボットで家電のスイッチを押せる
- リモートボタン:同社製品のアクションを実行
- カーテン/ブラインド:自動でカーテンやブラインドの開閉
- タグ:NFC(事前に割り当てたアクションを実行)
- スマートロック:ドアの電子ロック(物理キーが不要に)
- センサー:人感センサー、開閉センサー、水漏れセンサー
- カメラ:防犯・見守りカメラ
- ライト:シーリング、電球
- リモコン:スマホアプリ代わりに同社製品を操作
- サーキュレーター:多機能サーキュレーター
- 加湿器:加湿量や水切れアラートをスマホ管理
- プラグ:電源オン/オフをスマホで
- トラッカー:紛失防止タグ(Appleの「探す」対応)
・・・さらに増えていっています。
実に様々なスマートホーム製品を展開しています。ここまで手広くやっているのは、SwitchBot だけですね。一覧以外にも、ロボット掃除機にも力を入れています。
SwitchBot と言えば「ボット(指ロボット)」と自動でカーテン開閉してくれる「SwitchBot カーテン3」が有名ですね。どちらも既存の家電を操作するのではなく、これまで必ず人の手で行わなければならなかった操作を、遠隔・自動化が可能となる革新的なデバイスです。
全メーカーでもっともラインアップが充実していますし、製品に対する世間の評判も概ね悪くないです。1 つのメーカーだけでスマートホーム化すれば、コンパニオンアプリも一つのインストールで済みます。自宅内の色んなことをスマート化したいなら、あらゆる製品をリリースしている SwitchBot しか選択肢はないでしょう。しかし、防犯カメラの件があり、私のなかで SwitchBot の印象はかなり悪いです。これ以上、新たに製品を導入しようと思いませんし、カメラも他社に切り替える予定です。
追記:2024年10月05日
カメラはまだ替えていませんが、今現在コンパニオンアプリがまったく起動しなくなっています。これでは何も出来ません。(※アプリのアンインストール後、再インストールで復旧しました)
また、そもそものハナシではあるのですが、カメラが何かを検出したらスマートフォンに通知が来るのですが、通知をタップしてコンパニオンアプリが起動して行き着く先が、文字だけの通知がズラーッと並んだだけの画面なのです。検出されたら真っ先にカメラ映像を見たいと思いませんか?
どれだけ多様なデバイスをリリースしようとも、肝心なアプリがこの体たらくでは、とてもオススメできませんね。
スマートホームを調べると必ず目に入るメーカーですが、意外にも製品は多くないです。ほぼハブしかリリースしていないのです。
- ハブ:赤外線送信により家電を操作
- モニター:電気使用量をモニタリング
- CANDY HOUSE JAPANの「SESAME bot」対応
私は「Nature Remo mini 2 Premium」というモデルを使用しています。これで部屋のエアコンとシーリングライト(スマートではない)1 つをコントロールしています。また、CANDY HOUSE JAPAN 株式会社の SESAME bot(指ロボット)も使用しています。これは SwitchBot のボットとほぼ同じものです。
ハブしかリリースしていないようなものなので、赤外線でコントロールできる既存の家電をスマート化するということに特化しているメーカーです。主力製品が上述のような障害続きなのは深刻な問題でしょう。この障害発生さえ無ければ不満はありません。障害発生時にウェブサイトで告知するのは当然ですが、アプリが無反応になるのは改善したほうがいいでしょう。アプリ上でも障害発生のアナウンスが必要です。時間が無い時にわざわざウェブサイトを見にいきません。
無線 LAN ルーターで有名な「TP-Link」ですが、スマートホーム向けは「Tapo」というブランド名で展開しています。とくにカメラ製品に力を入れている印象ですね。
- カメラ:防犯・見守り・ドアホン
- プラグ:電源オン/オフをスマホで
- ライト:電球
- センサー:人感センサー、開閉センサー、水漏れセンサー
- ハブ:他のTapo製品と連携
- ボタン:同社製品のアクションを実行
とにかくカメラ製品のラインアップが多いです。20 種類以上あります。Tapo に関して私は「見守りカメラ」と「プラグ」と「ライト」を使っています。TP-Link もスマートホームに力は入れているとは思いますが、まだまだ商品展開が充実しているとは言いがたいです。特に、家電を操作出来るハブが無いため出来ることに限りがあります。赤外線ハブと、指ロボット、シーリングライトがリリースされれば、一気に印象が変わると思います。
2024年11月、待望の赤外線ハブが発売されます。
チルト&パン対応の見守りカメラをレビューしました。
複数メーカー使っていても Alexa だけで操作可能
私は紹介してきた 3 メーカーの製品を使用しています。どれか 1 つのメーカーに絞れればよいのですがそうもいかない場合があります。家電のスマート化を重視したいから Nature Remo を導入した、でもカーテンを自動開閉したいから SwitchBot を追加、防犯カメラは定評のある Tapo がいい、といった流れで結果的に 3 社製品を使っている人もいるでしょう(私です)。こうなると、それぞれのコンパニオンアプリをスマートフォンにインストールする必要があります。やりたい事によってアプリを使い分ける必要があり、いささか煩雑です。
そういった場合は Alexa に集約してしまうのも手です。大抵のスマートホーム製品は Amazon Alexa などに連携できるので、指示は Alexa 経由で行うことが可能です。Echo シリーズがあれば、寝る前に「アレクサ、明日の朝 6 時にエアコン付けて」と声で指示するだけでタイマーが組まれます。
ただ、メーカー製コンパニオンアプリほど、細かな指示が行えなかったり、指示してから動作までにラグが生じたりといった点は理解しておきましょう。また、先の Nature の例のように、そのサービス自体に障害が発生していたら当然 Alexa からの指示も通りません。さらに、こういった経由を増やすと、トラブル時に原因がどこにあるのか調べる箇所が増えるという点にも注意です。
これから買うならスマート家電を選ぼう
自宅のスマートホーム化を進めるならば、新たに導入する家電は「スマート家電」を選ぶとよいでしょう。また、スマート家電でなくとも「赤外線リモコンで操作可能な製品」を選べばスマートホームに組み込めます。空気清浄機や加湿器、ファンヒーターなどはリモコン付きが少ないので、よく調べてから購入してください。
まとめ
スマートホーム化の基礎と、進めるにあたり意識しておいたほうがよいことを書きました。今のところ、どのメーカーも一長一短ではあります(あくまで私の主観です)。これからも各メーカーから新しい製品が登場し、製品の質も向上してくると思います。購入前にまず計画を建てましょう。一番大切なのは、自分が何をスマート化したいのかを明確にすることです。そうすることで、必要となる製品が絞られてきます。