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【後編】10年振りにiPhoneからAndroidに出戻った話

前編中編】では、私がガラケーからスマートフォンへ移行した流れ、そして初めてのスマートフォンに「Android」を選び、そこから「iPhone」へと移行し、次第に「iOS」の進化・変化の遅さに「まんねり」を感じたところまで書きました。後編では、いよいよ「Android」に出戻り、実際に数ヶ月使い倒して感じた部分を書いていきます。

迷わずNothing

スマートフォンを新しくすること自体は決めた。しかしどの製品を買うかは決まっていなかった。そんな楽しい物色の段階で、欲しかったけど170,000円と高額な「iPhone 15 Pro」256GBモデルの価格がアホらしく感じたのが先だったか、49,800円から買えてしまう「Nothing Phone (2a)」のリリースを知ったのが先だったのか。思い出せないけど、多分、後者だったであろう。以前から知っていた「Nothing」の新しいスマートフォンが、「iPhone 15 Pro」の3割弱の価格で手に入れられることに衝撃を覚えた。ただ、その時点では細かな製品仕様などはわかっていなかった。今でこそ、こんな記事を書いているが、当時(と言っても3ヶ月前)の私は、「スマホなんて安くてそこそこ使えりゃいい」「でも、買うなら5年は使うから、下級モデルは嫌だな」みたいな思考で、「Android」機に搭載されるSOCの序列だとか、OSにどのような機能が追加されているか等、まったく知識としてなかった。

メーカー数も多く、様々なモデルが販売されている「Android」機の中から、なぜ新興「Nothing」に一直線だったかと言えば、ファーストプロダクトであるワイヤレスイヤホン「Nothing Ear (1)」から注目していたから。そして「Nothing Phone (1)」のホーム画面がとにかくクールで格好良かったという分かりやすい理由からなのだ。

それと、「iPhone」ユーザーでありがなら、「Nothing」のサブブランド「CMF by Nothing」からリリースされた「Watch Pro」も購入していたのである。今となっては「Watch Pro 2」も愛用しています。

さて、ここからめっちゃ迷うことになる。

廉価版にすべきか否か

リリース年端末名SOCRAM容量ストレージ容量備考
2023年Nothing Phone (2)Qualcomm Snapdragon 8+ Gen18GB/12GB128GB/256GB/512GBワイヤレス充電可能
リバース充電可能
2024年Nothing Phone (2a)MediaTek Dimensity 7200 Pro128GB/256GB64GB/256GB

購入希望機種が固まってきたので、それなりに調べ始めた。ここでようやく「Nothing Phone (2a)」が「Nothing Phone (2)」の廉価モデルだと知ったのだ。遅いよね。どうせ「iphone 15 Pro」を買わないなら「安いほうに振り切る」という気持ちだったのだが、「どうせ買うなら廉価じゃないほうが欲しい」という相反する気持ちもあり、この2択で天秤が揺れに揺れていた。
なんと言っても、最新機種、それもレビュー動画とか調べた限りは動作も全然速く快適そうな機種がわずか50,000円程度で手に入る(2a)の魅力は抗いがたい。

しかし外観で言えば、(2a)の背面カメラ部分がどうにも受け付けない。カメラレンズ自体はいいのだが、そのベース部分の丸みが、エッジの効いた背面パターンの中で浮いて見えるのだ。特徴的な背面のLED「Glyphインターフェイス」が筐体の上半分にしか配されていないことはどうでもよかった。(そもそも「Glyphインターフェイス」に惹かれて「Nothing」に絞ったわけでもない。)最終的に決め手となったのは、その時点で使用中だった「iPhone X」で特に便利で気に入っていた「ワイヤレス充電」が、(2)は対応しているが、(2a)は非対応であったことだ。

Nothing Phone (2)に決定

というわけで「Nothing Phone (2)」の12GB+512GBモデルを購入した。ボディサイズは「iPhone 15 Pro Max」とほぼ同じだ。これまで使用していた「iPhone X」からするとかなりのサイズアップだったが、1時間もすれば慣れてしまった。よく、大きいモデルは指が届かないとか、片手持ちできないとか、人を選ぶ的なことがよく言われるが、機種変更するなら悪いこと言わないから大きいほうのモデルから検討することをお勧めする。私の場合、次の日に「iPhone X」を触ったら、「小っさ」と思ったほどで、大きさなんてすぐ慣れる。標準サイズでも指が届かない画面の上のほうにボタンが配置されてるアプリなんてザラにあるだろう。どうせ今でも両手を使っているのだ。重さを気にするケースも多いが、今のスマートフォンはどれも重いよ。金属フレーム使ってるから。重いなかで、標準サイズのモデルより少し重いだけ。たかだか数十グラムの違いでしょ。腕も引き締まるしオススメだよ。とにかく画面を見て使うのがスマートフォンなのだから、見やすいほうで選ぶほうが後悔しない。「Nothing」のスマートフォンには、大きいサイズしか存在しないため、私の場合はそもそも選択肢がなかったわけだが、結果的にこの大きい画面で良かったと思っている。

OSの進化はどうなのか

そもそも、「Android」の不安定さから「iPhone」に移行したのだったが、再び「Android」に戻ることへは躊躇なかった。さすがに10年も経っているので、OSも洗練され、十分に処理出来るハードウェアスペックへと進化しているのは間違いない。以前使っていた「HTC J One」の時ような不具合があったら今日びボロカスに叩かれるから、そのような非道い製品は外れ個体を掴まない限りあり得ないのはわかっていたのだ。

リリース年iOSバージョンiOSトピックAndroidバージョンAndroidトピック
2017年11Siriの改善
カメラの機能強化
8指紋ジェスチャーに対応
ピクチャー・イン・ピクチャー
2018年12Siriショートカット
スクリーンタイム追加
CarPlayのサードパーティサポート
9RTTによる正確な位置情報
HEIFをサポート
2019年13アプリのプロパティ強化
ダークモード搭載
10ダークモード搭載
折りたたみ式スマートフォンへの対応
2020年14ウィジェット機能追加11スクリーン レコーダー搭載
2021年15集中モード追加12大幅なUIデザインの刷新
システム消費電力の大幅な軽減
2022年16ロック画面のカスタマイズ機能
ロックダウンモード追加
13デザインとカスタマイズ機能
進化したメディア プレーヤー
デバイスやアプリ間の連携強化
空間オーディオ対応アクセサリが利用可能
2023年17オフラインマップ追加14ロック画面とホーム画面のカスタマイズ強化
視覚と聴覚のユーザー補助を向上

両OSとも似たような進化をしてきています。まぁ、スマートフォンに求められる機能なので、似てくるのは当然と言えますね。個人情報モリモリの携帯端末なので、セキュリティーを重視したアップデートが多いのは当然として、検索機能の強化やカメラ関連の強化、バッテリーの持続性向上など、ユーザビリティ強化に重点がおかれています。また、表には含めていませんが、両OSとも異様なほどメッセージアプリ機能の強化を繰り返しています。正直、「WhatsApp」や日本だと「LINE」が主流だと思うので、どれだけ謹製メッセンジャーを使っている人がいるのだろうか?ふーむ、謎だ。

2024年の最新OSはどうなる?

iOSにもユーザーが待望するビジュアル面での強化が行われ、どの程度のものであるのか現状不明ながら、Androidのように自由なアイコン配置などが“ようやく”対応されるみたいですね。機密性の高いアプリを隠せる機能は「iOS 18」と「Android 15」で搭載。2024年のアップデートで派手なのは「iOS」のほうですね。「Android」は地味めの改善が多い印象。

IT系のニュースメディアでは、毎日のように「AI」が話題にのぼっています。私も「ChatGPT」や「Gemini」を活用しており、とても頼りになる存在なのを実感しています。どちらも無料版を使っているだけなので、両者とも本当のポテンシャルは体感出来てはいませんが。そんなAIをスマートフォンでも活用していくのは当然の流れですね。Googleは従来のアシスタントをGeminiへ置き換えようとしていますし、既にアプリのGeminiも使える状態です。「Nothing Phone」ではChatGPTも統合されており、ウィジェット配置すればホーム画面から遷移せずに声でプロンプトを伝え、声でフィードバックを得られます。モバイルであるからには、音声でのやり取りが重要視されますが、どちらのAIとも音声回答は成熟しておらず、特に日本語へのローカライズはハードルが高いので、自然な回答となるにはまだ時間が必要な印象です。Appleが実装を予定している「Apple Intelligence」に関しては、公開情報を読んでいても漠然とした印象しか抱けない人が多いんじゃないかな。どうやら端末内に蓄積した情報で回答するらしいので、極力、外部のサーバーに情報を渡したくないって人に寄り添っているみたいだ。しかし、端末内の情報で回答できない場合は結局ChatGPTに投げるらしい。PCで長大な文章の校正をさせるとか、要約を作らせるなどの従来想定された使い方から、モバイルならではの活用のされ方は、実際にAIがモバイルに降りてきて、使用者が増えてから見えてくるんじゃないかな。

再びAndroid機を使ってみて思うこと

出典:Nohing

最後に「Nothing Phone (2)」に替えて思ったことを書いておきます。
まず、動作速度はとにかく速くて、ちょっとした「ワンテンポ待ち」がありません。購入前には重視していなかった「Glyphインターフェイス」ですが、『特定の着信などが届いたら、特定のLEDを常時点灯のままとする』機能が気に入りました。この機種だからこそ、机に置くときは自然と背面を上にして置いているので、光った状態の通知は確実に気付けます。また、AOD(常時表示)していても余裕のバッテリーもち、「Nothing」の世界観で統一可能なウィジェットなどなど、期待していた大部分が満たされました。

数ヶ月振りにiPhone Xに触れてみましたが、リフレッシュレートの違いが露骨過ぎますね。Nothing Phone (2)は最大120Hzで、iPhone Xは60Hzと半分です。iPhone Xは設定メニュー内のスクロールすらカックカクに感じます。以前はまったく違和感なく使っていたのに…。ちなみに自宅PCで使用しているディスプレイは165Hzで、職場は60Hzですが、この場合は違いがわかりません。並べてスクロールすればわかるでしょうが…。なぜスマートフォンだとこんなにも顕著に違いを感じるのでしょうか。さておき、60Hzには戻れませんね。

「Android」の基本機能も、「iPhone」と使用感が変わらない部分が多いです。「アラーム」の設定や「おやすみ時間」とその間の例外通知設定など、私の使い方では全てのことが不都合なく行えています。また、ストアで手に入るアプリ自体がシステム標準を置き換えられる領域が「iOS」より広く深く、ほとんどの部分で自分好みに変えられることも、未だに「Android」の利点でありました。

全てにおいて完璧、ではありません。「これって不具合では?」とか「ここがこうだったらいいのに」なんてことは尽きないものですが、書くと長くなるので別の機会に。

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