Foveon センサー搭載のコンデジ「dp3 Quattro」で撮った写真の、解像感を見るだけの記事です。さすがに今さらなのでカメラ自体をレビューはしません。まぁ、あえて言わずとも、カメラ自体はクセの強いことで有名ですよね。愕然とするフォーカスの遅さ、ISO400 から顕著にノイズが乗る、撮影後の書き込み速度が激遅い、バッテリーが瞬速で無くなる、などなど、普段使いに向かないのは事実。それでも Foveon で撮りたいと思わせるものがあるから使うわけです。世間では色味の良さや解像感の良さが語られています。私も DP2x からのお付き合いですが、解像感に惚れています。今回、少ないサンプルではありますが、等倍での解像感を見ていきたいと思います。
※全ての写真は現像済みですが、何も調整していない素通し現像です。
※全ての写真はウェブ掲載用にリサイズ・圧縮をかけています。
メーカーによる説明
「SIGMA dp3 Quattro」は、高性能50mm F2.8レンズ(35mm版カメラ換算75mm相当の画角)を搭載し、開放から高性能でシャープな描写性能を発揮し、センサー能力を最大限に引き出します。近接能力に優れ、本格的なマクロ撮影も可能です。
by.SIGMA
この Quattro シリーズから Foveon の構造が変わり、3層のピクセル比が 1:1:4 に変更となっています。単純に面で見たときの画素数は最大の層でも 1,960 万画素ですが、ベイヤーセンサーと異なり1層1色なので、換算すると約 3,900 万画素相当になります。要するにコンデジでありながら 4,000 万画素クラスの解像度で撮れるということで、撮影条件さえ良ければ相当な高精細な写りを期待できます。
等倍で見るFoveon
以降の画像も含め、中心部を等倍拡大しています。おっと、忘れていましたが、どうやらテレコンバーター(FT-1201)を使用しているみたいです。なので、フルサイズ換算 90 mm 相当での撮影となります。意外と怖い顔をしているペンギン。解像感はまずまずですが、ホワイトバランスは「うーん」と言った感じ。開放ですが、かなり日差しの強い環境下なのでシャッタースピード(SS)高めですね。
フェンス越しに親分の毛繕いをしてる日本猿を撮影。遅めの SS ですがブレてなくて良かった。体毛の1本1本が見えるくらい解像しています。こういうの見ると堪らないわけですね。
橋とかにあるオブジェ。スライムみたいだな、と思って撮影したかどうかは覚えていない。塗装の擦れ傷や剥げもしっかりと解像しています。
何かわからない金属とワイヤー製(?)のメッシュ巻きされたもの。網目も緻密に解像していて、コンデジで撮ったとは思えない精細感。
秋の初めくらいに撮ったのかな。ここからはテレコンバーターを外した写真です。マクロレンズで撮影したような寄り。等倍だと産毛や羽の模様など、しっかりと見てとれます。
変わった質感の岩だったので撮影。湿り気をもったテクスチャがちゃんと伝わってきますね。開放ですが、奥のボケはザワザワしていてイマイチかな。
この1枚だけ、水平補正しています。人工物もシャープに解像しています。
透明感のある水ですが、段差で生まれた泡がしっかり緻密に描写されています。
まとめ
テレコン+フードとビューファインダーを装着しているので、コンデジとは思えない体躯になっていますが、意外と重さはそうでもない。それに、取り外せばちゃんとコンパクトです。そんな身軽に扱えるサイズにも関わらず、とんでもない解像感で記録してくれます。今でこそ、APS-C やフルサイズで事実上の画素数が多くて精細に写せるカメラも登場しています。しかし今回の Quattro シリーズや先代の Merrill シリーズは登場当時、余裕でフルサイズを喰ってしまう化け物でした。それこそが Foveon センサーの恐ろしいところであり魅力です。